平成道祖神 縁起
大町温泉郷の温泉守護の祈願寺 祥龍山泉獄寺門前とアルペンルートを南北に結ぶ、メインストリート西側歩道「あいどう路」に沿って四体の道祖神が安置されている。南の入口から「山下」=せんげ・さんげ、「思索」=しさく、「笑福」=しょうふく、「踊福」=ようふく、の呼び名があり、造立が平成四年ということで四体とし、年号に因み総称して「平成道祖神」という。
安政(一七八九年−一八〇〇年)以降造立が盛んになった道祖神の本流にならっていずれも双体像。呼称に従いそれぞれ個性豊かに彫られている。
「山下」の道祖神
祥龍山泉獄寺門前通り守護の役目を持つ。枝をつき、ズタ袋を担って山道を下る双体神で山行の無事を祈願する。
「思索」の道祖神
鳥居を配し瞑想する双体像「学問のカミサマ」(菅公)天神サマをモチーフしている。入試合格・幼児の成長と無事を祈願する。
「笑福」の道祖神
怒ってはいけない、いつも笑顔でいることを諭す。扇で口許をかくす女神は無用の”おしゃべり”を戒めている。福を呼ぶ笑いに祈りをこめる。
「踊福」の道祖神
古くから踊りは、「悪霊を防ぐ」儀式の一つである。振鈴を持ち、手を振り無心に踊る双体像はその「悪霊払い」と招福に霊験がある。
由来記 「平成道祖神」造立は、大町温泉郷観光協会が、大町市の協力のもとに実施している大町温泉郷環境整備事業で、大町温泉郷開湯三十年・大町市温泉開発株式会社創立三十周年記念事業の一環として構想したものである。
温泉郷全域の一層の繁栄と旅人の無事を祈り、ふれあいの道「あいどう路」の散策が訪れる人々のよき思い出となるよう願っている。