長野県史跡
上原遺跡 小竪穴
昭和三十五年二月十一日 指定
今から約五〇〇〇年の昔(縄文時代前期)、ここ平地区上原には、私達の祖先がムラを作って住んでいました。
ここは見晴らしのよい台地で、附近の森からは食料となるドングリなどの木の実や、シカ、イノシシなどの動物がとれ、また近くの川にはサケ、マスなどの魚もたくさんおり、また、原始的な畑を作るのにも適地でした。
しかしここで生活するのに困ったことが一つありました。それは冬の厳しい寒さです。そこで人々は深い穴を掘って寒さを防ぐことを思いつきました。
発掘調査では、直径一・二メートルほどの、人の背丈ほどまで掘り下げた小竪穴が発見されました。この穴には、出入りに便利なように南側に二段の階段つけてあり、中で火を焚いた跡も確認されました。
人々がムラを去ったあと、原野になっていましたが、昭和二十五年から二十七年にかけてこの地が開拓された際に発見され、学術的な調査が行われ、配石跡などを含め、この地一帯が県史跡に指定されました。