大町温泉郷の成り立ち
この温泉郷は一九六三年(昭和三八年)八月、はじめて造成工事に着手、翌年十一月最初の旅館がオープン、以来今日まで計画的につくられてきた湯の町です。
現在旅館十五、民宿四軒で一日三千八百人の宿泊が可能です。
旅館・民宿のほか、商店、博物館、公衆浴場等があり年間百万人を超える利用者があります。
温泉は、北アルプス高瀬渓谷葛温泉から八キロ引湯してきており、温度は六十五度、泉質は単純泉でリューマチ・神経痛・胃腸病・婦人病等に効能があります。
大町温泉郷の樹林 北アルプス鹿島槍ヶ岳に発する鹿島川の、河川敷の二段丘上に造成された当温泉郷は、アカマツを主体に落葉広葉樹が混交しています。
最初から意図的に樹林保存をはかってきたため開発された現在でも大部分が自然状態のままの自生種が残っています。田園地帯の一般的な温泉街のイメージと異なった景観を呈しているのはこのためです。
主な樹種はミズナラ、コナラ、カシワ、シラカバ、ヤマザクラ(四種)、アカマツ、カラマツなどで、当温泉郷では住民協定による樹木・樹林の保存など、積極的に良好な自然景観の形成につとめています。