◆19:不可視な都市:ロング・グッドバイ(大町市平2811−14)
⇒ 周辺地図不可視な都市:ロング・グッドバイ (新津保 建秀+池上 高志)
「アラスカには氷の単結晶がある」と書いた中谷宇吉郎の本がある。
作家は、厳寒の信濃大町を訪れ、スイスで氷河を渡った時に脳裏に焼き付いた、氷の透明な青さを思った。
死ぬときに思い出すのは、あの青さなのだろうか。倉庫にモノを置いていくように人間がモノを記憶するならば、例えば倉庫に氷のブロックをいっぱい並ベて、静かに溶けゆく音を聞いてみよう。
やがて失われる氷の音と光と材質感。これはそんな儚い氷の光と音の作品である。