◆清水氏居館跡(大町市常盤346)
⇒ 周辺地図清水市居館跡
ここは鎌倉・室町時代ころ、安曇一円の支配者であった仁科氏の支族、清水氏が居館を構えていたところである。
平成元年度におこなわれた発掘調査によって、東西一二四メートル南北一〇四メートル幅五メートルの外堀と、東西五八メートル南北四六メートル、北寄りにめぐらされた内堀にかこまれ、四つの廓に分かれた中世土豪の居館のほぼ全容が明らかにされた。
その内外から多くの施設や建物のあとが検出されるとともに、当時の生活を偲ばせるさまざまな器物や中国から渡来した数十枚の銅銭も出土した。
清水氏は集落内の各所に家臣たちの屋敷を配置し、ともども農業を営むとともに、大崎の山には山城を、西方のしんじょからの上にも小砦を構え、南方の西山城と呼応する仁科領の西部防衛線を形成していた。
清水氏の活動の一端を物語る史料は穂高神社の記録にあり、室町時代中期の明応一〇年(一五〇一年)の條に、この宮の造堂奉行として活動した清水石見盛好の名が記されている。